関西発!週末登山はどこ行こう

日常にはない風景と感動を求めて

薊岳・明神平周回コース 薊岳山頂から林道へ最短の下りに挑戦!

個人的に奈良の山が流行ってて、今回も奈良県・三重県境にある、いわゆる台高山脈・薊岳です。山と渓谷社が出している本を見るまでは、正直知らなかった。標高が1,406mと、そこそこ高く、登りごたえがありそうです。薊岳から駐車場へ最短ルートで下りました。

 

1.行 程

<日帰り>2018年9月16日(日)  5時間30分(休憩1時間15分除く)

大又林道駐車場 7:20 → 9:00 あしび山荘 (ちょっと道迷い)→ 9:20 前山 → 10:35 薊岳(雄岳) → 10:55 下り分岐点(昼食)12:10 → 13:50 林道 → 14:05 駐車場 ||

 

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活動距離 9.84km
高低差 792m
累積標高上り/下り 902m / 934m

2.体力・技術の目安

★★★☆☆

 

3.主な装備

ザック:コロンビア20L、OMM Phantom 25CL(new!)

靴:スポルティバ トランゴ TRK / モンベル タイオガブーツ

その他:ジェットボイル 1.5Lクッキングポット / プリムス ウルトラバナー /メスティン / シェラカップ / ケトル / コーヒーミル / テーブル・イス / デジカメ(オリンパス E-PL7、TG-5)

 

 

4.山旅の記録です

台高山脈の中央部に位置する薊岳。霊仙山や藤原岳など鈴鹿山脈に行ってみたいんですが、出会った人や本やブログで盛んにヒルが多いと言われていますので、もうしばらく辛抱。薊岳は真夏でも涼しそうだと思って、以前から候補にしていましたが、この連休を利用して登ってきました。

ここも結論から言いますと、

下りがしんどかった!

ということです。

というのも、薊岳を少し北に戻った分岐点から、林道へ下る最短ルートを選んだのが

原因です。バリエーションルートですね。普通に、登って来た同じ道を使って明神平経由で下れば、おそらく平和な山だったことでしょう。

と言っても、天気予報では晴れだったはずが、終始霧に包まれて展望がほとんどなかったので、この下りがいい刺激、というか思い出になったかも。

このルートは本には載っていなかったものの、ヤマップに乗っていたからちょっとした冒険心で選びました。地形図をみれば分かるとおり、分岐点からの下りは尾根筋をひたすら下るルートです。あらかじめハードな道だろうと覚悟はしていたので、まぁ期待通り?

 

 家から3時間ほどで大又林道駐車場に到着。

ここに着く前に、「やはた温泉」が目に入り、帰り用にチェック。大又集落を過ぎると、舗装はされているものの、状態が少し荒れた林道っぽい雰囲気になります。道端に七滝八壺(日本遺産!)というところがあって、思わず寄ってしまいました。

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スローシャッターで水の動きを流してみました。

 

駐車場の標高は700m、気温は23℃、霧。

最近涼しいから驚きませんが、湿度の高さを感じます。

 

靴を履いて背負う荷物を整理して、7:20さっそく登山開始です。

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駐車場はまだすいていました。

 

しばらく舗装路を歩きます。倒木やら落石やら、台風の爪痕が残っています。

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話はそれますが、このOMMは薊岳がデビューです。

OMMは、Original Mountain Marathon の略で、山岳マラソン用のブランドで、軽くて背負いやすく、体と一体感があります。もうしばらく使ってみて、山道具ブログで紹介するつもりです。

 

話がそれたついでに。

この度はなぜかシェラカップの収まりが悪く、色々と収納の仕方を考えました。

シェラカップにもいろんなタイプがありますが、持ち手はたためないのが一般的なようです。もちろん僕が持っているのもそうで、随分と長い間使ってきましたが、いつもザックの中にしまいづらいなと感じて来ました。

今回は少し発想を変えて、OMMの後ろのネットに入れてみると、これがけっこう具合がいい。他のザックにも、だいたい左右にストックやボトルなどを入れるポケットがついていますから、ここに入れておくといいかもしれません。

湧き水があれば、さっと取り出せて使えます。何をいまさら、という話ですが、自分的にちょっとした発見でした。

 

さて、話を戻します。

駐車場から15分ほど歩くとゲートがあります。

もう少し歩くと、林道から登山道へと雰囲気が変わって、標高を上げていきます。

沢を何度か渡りますが、ゴロゴロ岩でなかなか楽しい。

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予想どおり石や岩、木の根などが濡れているので、こんなコンディションこそモンベルのタイオガブーツ。相棒はこのトレイルグリッパーには絶対の信頼を寄せているようです。

僕はいつものようにトランゴ TRK。フィット感抜群!

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樹林帯では風もなく、ずっとガスがかかっていて、光も弱々しく薄暗い。

遠くで聞こえるサーという音は雨音か沢の音か。

パラ、パラと降ってくる雫も、葉っぱの水滴なのか雨なのか分からない。

すっかり盛夏の陽気さが消えて、もの寂しい鬱々とした湿り気が漂います。

九十九折りの登山道をしばらく歩くと、やがてなだらかになります。

 

9:00ちょうど、明神平につきました。あしび山荘がまず目につきます。

ここで一面開けたせいか、進む方向を間違えて10分ほどウロウロと道迷い。霧で視界がないと分からなくなるもんですね。

 

この明神平、まるでゲレンデのようだなと思いつつ登りましたが、やはりかつてはスキー場だったようです。

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霧がかっていて神秘的な雰囲気でしたが、なかなかその空気感を伝えられません。

9:20、前山山頂付近に到着。18.5度ですが、湿度が高いせいで寒さは感じません。

 

な、なんと!気が根こそぎ倒されてる!

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こんな姿で根こそぎ倒されているの、初めてみました。

21号台風はほんとすごかったからなぁ。

実はこの後も、こんな倒木をあちこちで見ました。

根元を観察してみると、この稜線付近は地盤がすぐに岩になってて、根が縦ではなく左右に広がるために、土ごとこのように倒されたみたいです。そこそこ大きな木ですから、尋常ではない暴風が吹いたんでしょう。すごい力です。

倒木だけでなく、大小の枝がトレイル上に散乱しています。すれ違う人も数人しかいなくて、荒涼として静寂。そんな山域です。

 

前山からは、少し下って登り返しがあるものの、なだらかなトレイルが続きます。

1時間ほど歩くと、今日予定している下山ルートへの分岐をすぎ、そこから5、6分歩いて、勾配のきつくなった登りをえいっえいっと登って山頂到着。

残念ながら、霧でほとんど視界なし。心の目で周りを見渡します。

山頂は食事できるスペースがないので、分岐点まで下りて昼食の準備。

 

今日のお昼は洋風炊き込みご飯と豚汁です。

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1.5Lのクッキングポットで豚汁を作りながら、メスティンでご飯を炊きます。

 

今日のご飯にベーコンとトマトを入れ、炊き上がってからチーズをのせて出来上がり!

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美味しそうでしょ?塩を少し足してからいただきました。

 

この頃から少し霧が切れてきて、ようやく風景が見えてきました。

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さて、いよいよ下りです。

標識はなく、ヤマップの地図が頼りです。地形を見ながら慎重に下り始めます。踏み跡はほとんどありませんが、いちおう、目印のテープはあります。

単純に尾根をそのまま下りるルートなので、迷いはしなさそうですが、等高線を見て想像していたとおり、なかなかの激坂。目印のテープを見ながら下る、というより、尾根伝いを下る先にテープがある、という感じ。霧で視界がなければ、間隔が広いので次のテープを見つけられないかもしれません。

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踏み跡らしきものはほとんどないために、まず地形を見ながら下り、ヤマップとテープで答え合わせをする感覚です。下り始めた箇所は樹林帯で写真のような雰囲気でしたが、下るにつれて荒れた山肌となります。

林道まであと高低差でだいたい100m、という地点からは、特に斜度がきつく、地面も荒れ荒れの状態。石も岩も木の根も、安易に踏んだり掴んだりすると、簡単に転がったり崩れたりして全く信用できません。人が入らない所を踏むって、こんなに大変なんや、と妙に実感しながらも、滑り落ちないよう慎重に慎重に下って、下り始めから1時間40分ほどでようやく林道に合流!

いやー、期待どおり、いや期待以上のハードワークだったな。

相棒もブツブツ泣き言を言いながらも、もちろん無事に下山。でもかなり足にきている模様。翌日以降は筋肉痛が襲ってきそうです。

ほとんどバリエーションルートでしたね。というか、台風の影響で道が荒れて踏み跡も消えたのかな?目印のテープは最後まであったので、歩かれているはずのコースですが、体力的にも地図読み練習的にも、いいトレーニングとなりました。

眺望がなかった引き換えに、いいお土産?ということで。